水虫と間違いやすい皮膚病2
水虫に症状が似ているけれど、そうではない足の病気があります。
医者でも判断が難しい病気もあるので、自己診断せずに、一度皮膚科に足を運びましょう。
ここでは、水虫と似て異なる足の病気をご紹介します。
掌蹠膿疱症
掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)は、水虫と非常に似ている病気。
化膿した水疱が患部にできるのが主な症状ですが、これは水虫と見分けるのが難しい病気であり、皮膚科の先生ですら診断に悩む病気だそうです。
ですがあえてその特徴を挙げるとしたら、
- 水虫よりもかゆさを感じにくい
- 水疱の中身が膿であり、その中身が透明ではなく黄色い
- ひじやひざの皮が角質化したように厚くなる
- 夏に悪化する水虫とは異なり、何ヶ月かに1度悪化する
掌蹠膿疱症は白癬疹と同じく、水虫の薬をつけると症状が悪化することがあります。
水虫で起こる水疱に含まれる液体は、ねばつきはありますが透明です。
ですが、この掌蹠膿疱症で起こる水疱の中身は黄色の膿です。
発症する部位は、足の裏だと土踏まずのような柔らかい皮膚、そして片方だけではなく左右対称で出現することが多いようです。
若い人に出やすい汗疱とは異なり、掌蹠膿疱症は比較的高齢者にみられる症状。
現在でも治療への研究が進んでいる最中ですが、白癬菌が素でできる水虫とは違い、その原因はハッキリしないといわれています。
ただ確実にわかっていることは、掌蹠膿疱症は素人療法は不適切だということです。
このような症状が出たら、触ったりいじったりするのは避けましょう。
尋常性乾癬
また、同じく病気にかかる原因がはっきりしないとされているのが、乾癬とも呼ばれる尋常性乾癬(じんじょうせいかんせん)という病気です。
この病気の特徴は、皮膚がガサガサになってしまい、かきむしるとボロボロと皮膚が剥がれ落ちること。
時には、その剥がれ落ちた部分から血が出てしまうこともあるようです。
乾癬は足だけでなく、ひじやひざ、頭、ひどくなると体中に症状が現れることもあります。ですが、かゆみは殆どありません。
この病気の難点は、とにかく見た目が汚らしいということ。
他人に感染しない、かゆみがほとんどないという点では、水虫より日常生活は送りやすいかもしれません。
ですが、外見にその症状がはっきりとでてしまう・治りにくいというのが難点ともいえる特徴です。
この病気の治療法も、掌蹠膿疱症と同様に確立されていませんから、症状を見ながら治療をしていくそうです。
ズック靴皮膚炎
最近では、子供が水虫のような症状を訴えて病院に来ることがあるそうです。
もちろん水虫だという診断結果もありますが、子供の足がかぶれてしまっている場合にはズック靴皮膚炎というものである可能性が高いそうです。
この皮膚炎は、その名の通りズックの靴を履き続けたことで足に炎症が起きるというものです。
小学生でも愛用している子が多いズック、通気性や耐久性では申し分ない靴です。
ですが、靴底の影響から皮膚炎を起こしてしまう子供がいます。
底がゴムで出来ている場合、そのゴムと皮膚が接触したことでかぶれてしまうケースがあるのだそうです。
水虫のようにかゆみや水疱ができるという症状は現れません。
皮膚が硬くなったり、赤みを帯びる程度だといいます。悪化すると皮膚がひび割れることもあるようですが、これはごく稀な症状。
ズック靴皮膚炎が発症した場合は、
- 靴を変える
- クリームなどを塗ってケアをする
さまざまな状態から起こる皮膚病
こういった病気以外にもいくつか皮膚病が原因で出る症状が考えられますが、別のことから症状が起きている可能性もあります。
たとえば、何かにぶつかったという物理的刺激、もしくはアレルギーがあったり刺激が強い化学物質に肌が触れると起きてしまう科学的刺激から起こり得る接触性皮膚炎。
また、小さい靴に無理やり足を入れて、圧迫された状態で肌がかゆくなったり腫れる症状。
さらに、肌には刺激の強い洗剤や薬品を使っての洗濯やクリーニングは、肌に火傷のような炎症を引き起こしたり、かぶれや湿疹を引き起こすことがあります。(これはいわゆるアレルギー反応ともいわれているものです。)
ハイヒールなどかかとの高い靴を履いたために起こる靴ずれが原因となることもあります。
最近では足の裏の角質がきれいになるという美容グッズも売られていますが、使用方法を間違えたり体質に合わない薬が入っていると、かゆみ・炎症が起こるかもしれません。
これを放置しておくと、足の皮が硬くなったり厚みが出たりします。
そうなると、水虫でなくてもその症状と区別しにくくなるそうです。
足の裏は皮膚が厚いからと安心して不潔な状態を保ったままにしていると、あっという間に皮膚病になってしまう可能性があるのです。
普段からケアをして、清潔・乾燥した環境でもって皮膚を傷めつけないようにしておくことが大切です。